役員保険(経営者保険)は、経営者の死亡・高度障害に備えるだけでなく、退職金の準備や事業継続のための資金確保にも活用できます。ただし、2019年の国税庁通達改正以降、税務上の取り扱いが変わっており、以前の情報をもとに判断することは避けた方が良いでしょう。

役員保険の主な目的

役員保険には大きく3つの目的があります。第一に、経営者が死亡・高度障害になった場合の事業継続資金の確保。第二に、解約返戻金を活用した退職金の準備。第三に、保険料の損金算入による税負担の調整です。ただし、これらの目的は相互に関連しており、一つの目的だけを切り取って設計すると、他の面で不利になることがあります。

2019年通達改正後の損金算入ルール

2019年6月、国税庁は法人が契約する定期保険・第三分野保険の保険料の損金算入に関する通達を改正しました。改正後は、最高解約返戻率に応じて損金算入できる割合が変わります。最高解約返戻率が50%以下の場合は全額損金、50〜70%の場合は60%損金、70〜85%の場合は40%損金、85%超の場合は10〜40%損金(期間によって異なる)という区分になっています。2019年以前の情報をもとに設計されたプランは、現在の税務上の取り扱いと異なる場合があります。

解約返戻金を退職金に活用する仕組み

役員保険の解約返戻金を退職金の原資として活用するには、解約返戻率が最大になるタイミングと、経営者の退職予定時期を合わせて設計する必要があります。解約返戻率のピークは保険の種類によって異なり、加入から10〜20年後になるプランが多いです。退職時期が決まっていない場合は、柔軟に対応できる設計を選ぶことが重要です。

税理士との連携が重要な理由

役員保険の設計は、保険の知識だけでなく、法人税・所得税の知識が必要です。保険料の損金算入、解約返戻金の益金算入、退職金の損金算入など、複数の税務処理が絡み合います。保険代理店だけで設計を完結させるのではなく、顧問税理士と連携した上で判断することをお勧めします。SwiftCoveLineでは、必要に応じて提携税理士を紹介しています。

どのタイミングで検討すべきか

役員保険の加入を検討するタイミングとして多いのは、会社設立後3〜5年で経営が安定してきた時期、決算対策を考え始めた時期、後継者問題を意識し始めた時期です。保険料は経営者の年齢が上がるほど高くなるため、早めに検討することで選択肢が広がります。ただし、必要性を十分に確認した上で判断することが重要です。

役員保険は、設計次第で経営者と会社の両方にとって有効な手段になりますが、税務上の取り扱いを誤ると意図しない結果になることもあります。SwiftCoveLineでは、提携税理士と連携した上で具体的なシミュレーションをご提示します。